新しい業務を任されたとき、最初に感じるのは期待よりも不安かもしれません。
「専門用語が分からない」
「何から手をつければいいか分からない」
「そもそも、自分が何を分かっていないのか分からない」
私も、入社ばかりの頃は同じ状態でした。IT知識に自信がなく、専門用語が飛び交う会議では、まるで外国語を聞いているような感覚でした。
そんな私が、未経験の業務に少しずつ向き合えるようになったきっかけが、AIツールの活用です。
この記事では、私がこの1年間で実際に経験した「未経験業務のキャッチアップ術」を、2つの事例に分けて紹介します。
私が繰り返してきた流れは、とてもシンプルです。
1. 業務で「できない」という壁にぶつかる
2. AIを使って、視点や作業の出発点を得る
3. 自分で考え、理解を深める
AIは、ただ答えを出してくれる存在ではありませんでした。むしろ、未経験者が最初につまずきやすい「全体像が見えない」「専門用語が分からない」という壁を越えるための、心強い相棒でした。
最初に直面したのは、システム設計の壁でした。
会議の議事録を読んでも、自分がプロジェクト全体のどこにいるのか分からない。要件定義の次に何をするのか、どの作業がどこにつながっているのか、頭の中でうまく整理できませんでした。
そこで活用したのが、GoogleのNotebookLMです。
会議の録音データや議事録を読み込ませ、マインドマップやインフォグラフィック機能などで内容を整理してもらいました。複雑な議論や長い議事録も、AIに要点をまとめてもらうことで、プロジェクトの流れをつかみやすくなります。

「今、自分はどこにいるのか」
「次に何を確認すればいいのか」
「関係者が何を決めようとしているのか」
こうしたことが少しずつ見えるようになりました。
未経験の業務では、最初から細部を完璧に理解するのは難しいものです。まず必要だったのは、細かい知識よりも「全体像」でした。
NotebookLMは、その全体像をつかむ手助けをしてくれました。
次に直面したのは、データ分析の壁でした。
BigQueryにあるデータから必要な情報を取り出したい。やりたいことは分かっているのに、それをSQLとしてどう書けばいいのか分からない。
ここではGeminiを活用しました。
まず、対象となるデータセットの構造をGeminiに理解してもらいます。そのうえで、「メンバー名と姓名を表示したい」といったように、日本語で目的を伝えました。
すると、Geminiがその目的に合ったSQLを作成してくれました。

この体験で大きかったのは、「専門的な構文をすべて暗記していなくても、目的を伝えれば前に進める」と実感できたことです。
AIは、私の日本語とSQLの間に立つ通訳のような存在でした。技術に対する怖さが薄れ、データベースと会話する感覚に近づいたのです。
この1年間で、AIを使ってできるようになったことは増えました。
NotebookLMで会議内容や資料を整理し、全体像をつかむ。
Geminiを使って、自然言語からSQLを作成する。
ただ、本当に大きかったのは、便利なツールの使い方を覚えたことではありません。
一番の変化は、「専門知識がない自分でも、AIに相談しながら業務に関われる」と思えるようになったことです。
AIは、未経験者の代わりにすべてをやってくれるものではありません。けれど、最初の一歩を軽くしてくれます。視点を引き上げ、考える材料を与え、分からないことを分解する手助けをしてくれます。
未経験だからできない。
知識がないから関われない。
そう思って立ち止まってしまう前に、まずはAIに相談してみる。
それだけで、見える景色は大きく変わるかもしれません。